介護と子育て

「誰かの手を借りる」
をうまく出来ていなかったのは私自身でした。

義理の母が先日グループホームへ入所しました。
認知症を発症し約4年、症状が徐々に進んで行く中、知らず知らずのうちに、義理の父も夫も子どもたちも、そして私も少しずつ少しずつ介護に難しさを感じていたのに、「まだ大丈夫」、「もう少しがんばれる」…そんな言葉を心の中でそれぞれが呟きながらきっとがんばってきた感じでした。
それでも確実にそれぞれの生活に支障が出て来ていたのは誰の目からも明らかだったはず。
でも毎日目の前のことに必死でそれを客観的にみることが私には出来ていませんでした。

とある出来事から、訪問看護をしていただける地域の診療所に転院し、お医者様からのススメもあり急遽入所が決まりました。

それまでの過程で、地域医療の連携の素晴らしさを身をもって体験しました。
ケアマネさん、デイサービスの施設の方々、診療所のお医者様、看護師さんたち、ケースワーカーさん、薬局の方、その他気遣ってくださる方々。

声にならない声を上手に拾って、適切なサポートをしてくださった方々には感謝しかありません。
当事者になって分かること、本当に本当に沢山ありました。

あのまま頑張っていたらおそらく、義理の父も体力的にも限界だったし、私たち家族も私自身も壊れていたかもしれません。

同時に日頃お客様であるママやパパに
「もっと頼っていいんだよ」
「がんばり過ぎないで」
なんて言ってるのに、それをできていなかったのは私自身だったことにも気付きました。
とてもお恥ずかしいお話です、本当に。

声を上げるって簡単なことじゃないな。
誰かに頼るとか助けてもらうことを
どうして自分はもっと早くに出来なかったのか?

私がやらなくちゃ…といういらぬ責任感。
そして、まだ大丈夫。
もっと大変な人もいるんだ。
という謎の誰に向けてかも分からない心配と配慮。

何より家族のことを誰かに委ねるということに対する「罪悪感」それが1番の原因だったと分かった時に、

「え!?子育てと一緒ではないかぁぁぁ!」

と、今更ながら気付いた衝撃…。
同時に介護は子育てよりもとてもスムーズに連携出来る仕組みが出来ているなと感じました。
ここはやはり高齢化社会日本!
そして高齢者への政策が手厚いからだとも思いました。

元々普通に生活を送っていた大人が段々と生活において「出来ない」ことが増えていくので、今までできていたのに「あれ?おかしいな…」と気付きやすいのも介護の特徴だなと。

その一方で、今回地域の様々な福祉サービスの連携のすばらしさを体験した私は、同じように子育てもその連携が出来ていればもっと乳幼児期の子育て中のママやパパの声にならない声を拾えるのでは??とも感じました。
生まれてからの赤ちゃんの成長は個人差が大きく、母子手帳に書かれている発達の目安に親は一喜一憂しがちです。「正解」はないのにもかかわらず、親はいわゆる「普通」にとらわれてしまい、我が子の成長と世間一般の普通との間でがんじがらめになりやすい。
私も一人目の時はまさにそうでした。
小さな子を連れての外出は慣れるまではビックイベント(TDLへ行くぐらいの気合で持ち物とか準備してました汗)だし、自分から取りにいかないと、どこに行けばサポートを受けられるのからがいまいちわかりにくい現状だと未だに思います。
介護はこの点がものすごくスムーズで、その連携の速さは感動モノでした。

子育てに関しても、もっと地域の小児科、行政、私たちのような民間施設が横のつながりをシームレスにしていくことが子育て世代がより住みやすい街作りにつながっていくのではないかなと今回の事で感じました。
発達、授乳、離乳食、聞こえや言葉のことなどなど、本当にかわいい我が子の事に関して心配にならない親はいなく、ママもパパもいつも手探りで子育てをしています。そしてそこに加えて自分たちのキャリアも問題も。
これが、特にはじめての子育てだと本当にメンタル面への負担は大きいのです。
不安やつまづきを感じた時に最初に頼る場所はきっと今の子育て世代はネット検索…。
これが一番最悪の負のスパイラルに陥るやつです…。
そこにははやり「人」の心の通ったサポートが必要だと思います。
あたたかいまなざし、声掛け、必要であればギュッとしてあげる。
産後、急に社会から孤立するパパママにとってそれはとても大切なことだと感じます。

そして、子育ても介護も「罪悪感」からはどうしても逃れられないんだ…と自身の経験から気づいたことも大きかったです。
罪悪感を持つことは悪い事ではないけれど、それまでがんばった自分を認めてOKを出してあげることができることも自分の心のバランスのためにも大切。その気持ちを受け止めてあげられる人が家族だけではなく、外部にもいることの大切も身をもって体験しました。

さぁ、この経験をしっかり社会に還元していこう!

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