第2章
キャリアカウンセリングとの出逢い​

お仕事は、自身を成長させる素晴らしいこと

大学卒業後に就職した会社は、人材教育に対してしっかり時間とお金をかけてくれる会社でした。研修で受ける講座、勉強のために行く視察、実際に取引きがある企業の経営者や社員の方々との対話、全てが刺激的で毎日とても楽しく過ごしていました。いつの間にか、仕事はお給料をいただけるのに学ぶこともできるすばらしい事なのだ!、と感じるようになりました。自分に向いていない苦手な分野を克服したり、内心「無理だ」「出来ない」と思う依頼に全力で挑むようになっていました。

人の能力を評価する方法は学力ではない

昭和生まれの私は子どものころから偏差値教育の中で学び、大きな夢を描くはずの進路は偏差値を基準に考えることが当たり前でした。しかし、会社で仕事に励むうちに、社会人として要求されるスキルは学力では全く測れないことに気がつき始めたのです。当然、社会で必要とされるスキルは多種多様です。物事の捉え方次第でどの環境でも多くのチャンスがあり、どんなに小さなことでもその働きは全て社会とつながっています。目の前にある仕事のすべてが、私たちの生活に直結している、当時そう理解できる人が私の周りには少なかったように感じます。このような仕事に向かう姿勢も学力のように数値化できるスキルではありません。私はそのスキルを自身で習得できる能力の一つと捉え、その能力をどんどん伸ばしながら社会人として成長していきました。私にとって大きなアドバンテージであり、仕事に対する自信につながっていったと記憶しています

「働く人」「仕事」が常に私の興味対象になっていきました

様々な仕事をしている人たちの接客の仕方、表情、言葉遣い、訪問先のオフィスの環境設定、送信されるメールの文章の組み立て方、どれも同じものはなく、個性や会社のカラーが出ていて面白いものばかり。そんなことに気がつくと、やがて「素敵だな、まねしてみよう!」「そんな風にするといいのかな!」と感じたものはすべて自分の中に取り入れるようになっていました。スポンジのようにすべてを吸収することで、今の世界を新しい視点で見てみよう、新たな道をどんどん切り拓こうとしました。世の中は常に学びに溢れていて、自分の気づき方次第で無限に良いことも悪いことも学ぶことができる。そんな小さな気付きを繰り返すうちに、「地球の中でとても小さな存在である自分でも誰かの役に立てる!」というブレのない前向きな思考が備わっていきました。すると、日常の中での様々な場面でいただける小さな「ありがとう」の積み重ねによって、人として自信が持てるようになっていきました。

自信は、やがて自分の持つリソースをどう社会へ還元するか、という問い変わりました

当時、メンターとして定期的に大学時代の恩師に相談をしていました。その恩師から、キャリアカウンセリングを勉強してみないか、と勧められてカウンセラーの道を歩み始めました。カウンセリングを学ぶにつれて、「仕事を中心とした生活のなかで、今置かれている環境や転機を既存の理論に基づいて客観的にみる」ことに興味がひかれていきました。多くの理論は自身の今を評価する物差しとなります。私は徐々に、キャリアカウンセリングの分野にも足を踏み入れていきました。

社会に出てから、「沢山の学び」と「素晴らしい出逢い」に恵まれました

これまでどんな困難に直面しても常に歩みを前に進めることができたのは、所属していた会社や公私共に出会った多くの人たちとの出逢い、そして学生から社会人になって沢山の新たな経験(学び)をさせて頂いたからこそ。そんな学びと出逢いを通じて様々なスキルを身に付け、自信をつけていきました。そして今度は自身の経験を社会に還元したい、人の役に立ちたい、という想いからキャリアカウンセリングの道を進みました。

私がカウンセラーとして若い女性に伝えたいこと

無意識のうちに自身の可能性に蓋をせず、どうか広い視野で未知の世界へどんどん飛び込む勇気を持ってください。そのチャレンジ精神を日々大切にすることで、自然と素晴らしいキャリアがついてきます。日本では女性の社会的地位が未だ低く、その結果残念ながら自己肯定感も低いのが実状です。「女性だから」と主張しない、できない雰囲気がある、それが今の日本社会です。しかし、女性のキャリアを応援してくれる組織や環境が少しずつ増えていると感じることもあるでしょう。目の前にある女性のためのキャリア支援を活用して悩みを解決し、仕事を介した素晴らしい出逢いや経験を繰り返し、さらには幅広いスキルを身に付け、どんどん自信をつけてください。そして、日本社会が女性にとってもっと良いものになるように、皆さんのリソースを還元しましょう。そんな明るい未来を描くことで、きっと素晴らしい今を感じれるようになると、私は確信しています。

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